死にたがりの僕が、生きたいと思うまで。
「やっと着いたな!」
口元を綻ばせて、嬉しそうにあづは笑う。
「……そうだな」
小さな声で俺は頷く。
あづに謝ってから数日が経ったある日、俺は四人と一緒に水族館に来ていた。
「中入る前にお前らにいいたいことあるんだけど、いいか?」
水族館の前で立ち止まって、俺は言う。
「……この前はごめん。あと、正直俺疲れやすいし、体調いつ崩すかわかんねぇから、手間かけると思う」
「アハハ! 何を言うかと思えば、そんなことかよ!」
軽快にあづは笑い飛ばす。
「え」
「お前が歩けるようになったばっかなのも、病気のせいで体調悪くなりやすいのもよく知ってるし、それぐらい屁でもないんだよ‼ 今日はとにかく遊ぼうぜ! な、潤?」
「全くだ。 急にしおらしくなってなえらしくもない」
首を振って潤は笑う。
「本当よね。なえは体調悪くなったらお前らのせいだからなとか文句いっとけばいいのよ! その方があんたらしい」
恵美も腕を組んでうんうんと頷く。
思わず目を見開く。
吃驚した。こんなこと言われるなんて思ってなかったから。
「それに、今日ははぐれた時に体調悪くなった時のために、これも持ってきたから」
バックからラッピングされた小さな箱を取り出し、恵美は笑ってそれを俺に渡す。
「なんだよこれ」
「いいから開けて?」
リボンをほどいて箱を開けると、中から出てきたのはスマートフォンだった。
「えっ」
「三人で割り勘して買ったの。だから今一番安いスマホなんだけど、そこは勘弁してね」
ベロを出して恵美は笑う。
「なんで」
「だって水族館って広いし、はぐれたら困るだろ。それにお前は一回だけつったけど、俺らはこれから何回も遊ぶつもりだし。それなのに病院に電話しないと連絡とれないの不便じゃん」
なにげない様子であづは言う。
「えっ、でも、携帯代とか……」
「どうせお前俺らと連絡するの以外にはあんま使わないだろ。それなら安いし問題ない」
潤がうんうんと頷きながら言う。
口元を綻ばせて、嬉しそうにあづは笑う。
「……そうだな」
小さな声で俺は頷く。
あづに謝ってから数日が経ったある日、俺は四人と一緒に水族館に来ていた。
「中入る前にお前らにいいたいことあるんだけど、いいか?」
水族館の前で立ち止まって、俺は言う。
「……この前はごめん。あと、正直俺疲れやすいし、体調いつ崩すかわかんねぇから、手間かけると思う」
「アハハ! 何を言うかと思えば、そんなことかよ!」
軽快にあづは笑い飛ばす。
「え」
「お前が歩けるようになったばっかなのも、病気のせいで体調悪くなりやすいのもよく知ってるし、それぐらい屁でもないんだよ‼ 今日はとにかく遊ぼうぜ! な、潤?」
「全くだ。 急にしおらしくなってなえらしくもない」
首を振って潤は笑う。
「本当よね。なえは体調悪くなったらお前らのせいだからなとか文句いっとけばいいのよ! その方があんたらしい」
恵美も腕を組んでうんうんと頷く。
思わず目を見開く。
吃驚した。こんなこと言われるなんて思ってなかったから。
「それに、今日ははぐれた時に体調悪くなった時のために、これも持ってきたから」
バックからラッピングされた小さな箱を取り出し、恵美は笑ってそれを俺に渡す。
「なんだよこれ」
「いいから開けて?」
リボンをほどいて箱を開けると、中から出てきたのはスマートフォンだった。
「えっ」
「三人で割り勘して買ったの。だから今一番安いスマホなんだけど、そこは勘弁してね」
ベロを出して恵美は笑う。
「なんで」
「だって水族館って広いし、はぐれたら困るだろ。それにお前は一回だけつったけど、俺らはこれから何回も遊ぶつもりだし。それなのに病院に電話しないと連絡とれないの不便じゃん」
なにげない様子であづは言う。
「えっ、でも、携帯代とか……」
「どうせお前俺らと連絡するの以外にはあんま使わないだろ。それなら安いし問題ない」
潤がうんうんと頷きながら言う。