死にたがりの僕が、生きたいと思うまで。
「……あづって、潤といつから一緒にいるんだ?」
「小一の時からだけど、なんで今更そんなこと聞くんだよ?」
あづは不思議そうに首を傾げた。
「疎ましいと思っているわりには、かなり仲良いと思ったから」
「……あいつは変だから」
「……それ、あづがいうのか?」
俺は思わずそう突っ込んでしまった。
俺からすれば、潤よりあづの方がよっぽど変わりもんだ。
「うっせ。……俺と潤は小一からの付き合いだけど、ずっと一緒にいたわけじゃないんだ。俺が小一の時、アイツの父親まだ社長になってなくて、駆け出しのサラリーマンだったんだよ。そのせいであいつは俺と入学式で知り合ってから半年くらい経った時に転校したの。父親の転勤が理由で」
「え? じゃあなんであんなに仲良くなったんだ?」
小学一年生ならスマフォなんて持ってないだろうし、別れてから連絡を取るのはかなり無理があるだろう。それなのに、なんであんなに仲良くなったんだ?
「……中学生になってから一週間くらいした時に、あいつが放課後に俺の学校に来て、一緒に帰ろうって言ってきたんだよ」
「は? 潤はどうやってお前の学校を割り出したんだ?」
「……その時の俺、荒れててさ。中一のくせに煙草吸ったりとか、誰彼構わず学生に喧嘩売ったりとか、万引きとかをしてる同級生とつるんだりしてたんだよ。まあそれは別に仲良くしてただけで、一緒に万引きをしてたわけじゃないんだけど。……髪を青に染めてからあんま日が経ってない時期で、母親はもちろんだけど、先生にも髪染めたのとか毎日のように怒られたりして、ムシャクシャしてたんだよ。……母さん、いつも家に数時間しかいないで俺のことをほったらかしにしてるくせに髪を染めた途端にめっちゃ怒ってきて、少しだったけど暴力とかも振るわれたりしてさ。それのせいで俺は苛々して、そういうことをしてたの」
暴力に関してはきっと少しではないんだろうなと思ったが、口に出さなかった。