恋って西洋風グミの味?
「神菜」

突然のハスキーボイス。


げっ・・・・・・・・・・大槻!!!!

振り返るあたしと松下さん。

「あ、優喜君。図書委員これからだよ。」

「わかってるよ。」
大槻は松下さんを見ずにこっちを見ている。その視線に耐えかねて、あたしは

「な、なによっ」

と言った。

「お前、変な誤解してんだろ」

「してませんー。」
とっさにそんな言葉が出てきた。
そしてあたしは、
「じゃぁ図書委員さんお二人で頑張ってね~」
と言って、図書室を出ようとした。

「優喜君、いこ。」

と言う鼻につく甘ったるい声。
松下さん、完全に大槻のことを好きだな。女のあたしだからわかるのか、それともすっごいわかりやすいのか。たぶん後者だ。ちょっとイラッときて、思わずその場に踏みとどまってしまった。

「松下、お前こいつになんか言ったか?」
大槻は松下さんを問い詰めた。
「え?何も云ってないよ?て言うか何を言うの?それより図書委員始まるよ」

とにかく松下さんは大槻と二人になりたいみたいだ。

邪魔者退散とはこのことね。

「じゃぁね~」

と言って、ドアに近づいたところで、大槻があたしに声をかけた。

「神菜、放課後教室で待ってろ」

「「えっ?!」」

あたしと松下さんが二人同時に声をあげてしまった。

や、やだな…大槻怖いっつの…。
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