恋って西洋風グミの味?
「だろ、松下。」

大槻がギロリと松下さんのほうをみた。

「神菜ちゃん、ごめんね…なんか誤解させちゃったみたいで。」

あたしは頭が真っ白になって、何が何だか考えられなくなってきていた。
え?だって優喜君って呼んでたじゃん?普通にいつも一緒にいたじゃん?松下さん、モロ大槻のこと好きで、あたしを邪魔ものにして二人っきりになりたがってたじゃん?
さり気に図書室から校門まで帰るところだって見てるよ?あたし。

…意味がわからないよ…?

「え、でもさ、この間教室でさ、一緒にかえろって…」

「だから、あれは松下の暴走!」

大槻がめんどくさそうに言う。こいつ、ほんと教室の人には興味ないな…っていうのがよくわかる態度。

「うん、付き合ってないよ、あたしと優喜君は。」

うつむきながらさみしそうにいう松下さん。


ちょ、ちょっと待ってよ…あたしの勘違いってわけ?

なんだったの?この一週間…

てゆーか大槻相手に怒り心頭だったあたしもあたしなんだけどね、でも、あの優しさにだまされるところだったと思ってたから、そりゃ怒りもするし…

なんてぐるぐる考えてるうちに、大槻が言ってきた。

「神菜さ~ん、わかりましたか~?ぜ~んぶ誤解ですよ~?」

嫌味たらたらなのがモロわかり。
い、いやなやつぅ~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!

あたしのこの無駄な焦燥感はなんだったんだ!!!

「大槻君、お話があるのでまたあとで。」

わざと丁寧に言って、あたしは図書室を出て行った。
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