君と秘密のスキャンダル



***




「ただいまぁー」


「お、お邪魔します……?」


田所さんは自宅の玄関で慣れたようにヒールを脱ぐ。


え、俺ってどうすればいいの…?


お邪魔します、とは言ったはいいものの、今の俺はきっと挙動不審だ。


しかもよくよく考えたら、田所さんって好きな子のお母さんってことだよな…?

き、気まづすぎる……



と、



「ごめん、玲子さん。今度の映画の台本なんだけ、ど?!」


パタパタと現れた白井咲良は俺の姿を見るなり固まった。



まぁ、そうだよな……。





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