俺様社長は溺愛本能を隠さない
諦めた恋





想像してみてほしい。

大手デザイン会社。
そのときの私は入社二年目、デザイナーとは名ばかりのただの雑用係に過ぎなかった。

引き替え、噂の彼はとんでもない変人だけど、洗練された身なりと顔立ち、デザイナーとしての驚くほどの実力で、いつだって社員の憧れの的。
口が悪いから、みんな遠巻きだったんだけど。

それでも彼は輝いていた。

クライアントとの打ち合わせに同行させてもらうくらいで、私と彼には特別な繋がりはなかった。少なくとも、私はそう思ってた。

しかしある日、オフィスで二人きりになったとき、唐突に耳打ちされた。

『俺が独立したら、付いて来てくれないか?』

それが私にとってどんなに衝撃的な誘いだったことか。


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