俺様社長は溺愛本能を隠さない

数秒、ブラインドが揺れてこすり合い、都筑さんはそこへ私を押し付けるように迫ってきたため、私の背中がブラインドにめりこみ「バリッ」という音がした。

「都筑さんっ」

彼は私の顔の高さのブラインドを握り、威圧してくる。

「有村に男ができると思うと集中できない。俺の仕事には十分影響が出ている」

「それおかしいですよね?……おかしいって分かってます?」

「なにがおかしい。俺の秘書なら俺が仕事に集中できるようにしてくれ」

いや、もう全然話通じない。
こんなに通じないとは思わなかった。

腹が立つのが、自信満々のこの目。
秘書のプライベートを何だと思ってるんだか。

「私は都筑さんの所有物ではありません」

「所有物?」

壁ドン(ブラインドドン)をされながらも、私は強気の視線を向けて抵抗の意思を表した。

このまま都筑さんに振り回され続けるなんてまっぴらごめんだ。この三年間、ずっとそうなっていたんだから。

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