悪魔のご飯は愛情です
「……さよなら」

フィービーはそう言い、進路指導室を出て行く。テオが「待て!!」と言い廊下に飛び出すと、もうそこにフィービーはいなかった。



フィービーがいなくなって数日、テオは学校で変な視線を向けられることなく毎日を過ごしている。みんな、最初からテオに使い魔などいなかったかのような態度だ。

「あいつ、どこ行ったんだよ!」

テオは拳を作り、机をガンと叩く。手に痛みが走ったが止めることはできない。

フィービーは家に帰って来ていない。魔法でテオは探しているのだが、気配などをうまく消しているようで見つけられないのだ。

「あんな弱い悪魔、誰かに守られなければ死んでしまう」

フィービーのことを思うとテオは落ち着きがなくなり、勉強もやめてしまうのだ。今日も宿題を途中でやめ、ほうきに乗ってフィービーを探している。

「あれ?テオじゃん。こんなところで何してんの?」

空を飛んでいたテオは、後ろから誰かに話しかけられた。振り向くと、クラスメートがほうきに乗っている。
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