悪魔のご飯は愛情です
「ちょっと人を探していて」

テオは素直に言うことにした。素直に言うのは滅多にすることではないため、なぜか緊張してしまう。クラスメートは「なら魔法使えばいいじゃん」と言った。テオは首を横に振る。

「いや、気配を消されてて無理だった」

「う〜ん。なら、この前魔法歴史学で先生が使ったって言ってた魔術を使うのはどう?」

クラスメートの言葉にテオの目が見開かれる。それは、高度な魔術力が必要とされ、成功例の少ない魔術だった。しかし、何でも見つけることができ、さらに願えばその場所まで連れて行ってくれるのだ。

「まあ、こんな魔術使えるやつなんてそうそういないよな。ありえないわ」

「いや、おかげで解決策が見えた。試してみる」

「いや、マジ?」

テオはクラスメートに背を向け、家まで猛スピードで帰った。そして、儀式に必要なものを揃え始める。

「えっと、必要なものは……ヒイラギの葉っぱ、猫の血、トカゲの尻尾、術者の爪、ユニコーンの角か。さっそくやるぞ」
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