悪魔のご飯は愛情です
「ご主人様、ひどい〜。せっかく素敵な夢を見てたのに〜……」

「お前、俺の使い魔だろ!!さっさと起きて家事くらいしろ!!俺を支えるのがお前の役目なんだから」

「は〜い」

少しシュンとしながら使い魔は一瞬にしてネグリジェから赤いリボンを結んだ白いワンピースに着替える。使い魔の名前はフィービー。サキュバスの血を引いた悪魔だ。

サキュバスとは、男性を性行為で誘惑する悪魔のことだ。露出の多いセクシーな格好をしていることが多い。しかし、フィービーはサキュバスの血を引いているとは思えない体だ。

「お前、サキュバスの血が入ってるくせに胸はまな板で尻も引っ込んでて幼児体型なんだな」

フィービーと出会った頃、テオはフィービーに真顔で言ったことがある。フィービーは「ひどい!セクハラです!」と言っていたが、幼児体型であることは事実だ。おまけに使い魔としての能力は弱い。

テオがフィービーとひっそり暮らしているのは、フィービーが使い魔だと知られた時、みんなが「こんなのが使い魔!?」という反応を示すからだ。しかし、テオはフィービーと契約を切るつもりはない。

テオは朝ご飯を作るためにキッチンに向かった。
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