悪魔のご飯は愛情です
フィービーは家事が恐ろしいほどできない。そのため、テオは自分の食事は自分で用意する。フィービーは人の食べ物は食べることができない。

「ご主人様、終わりました〜……」

テオが朝ご飯を食べ終えた頃、フィービーがふわふわと空中を飛びながらやって来る。テオの厳しい指導のおかげでフィービーは何とか家事ができるようになってきた。

「お腹空きました〜……」

フィービーはテオの隣に立つ。テオは「わかったわかった」と言い、両手を広げた。その刹那、フィービーはテオの胸に飛び込んでくる。

「はぁぁぁ〜。おいしいです〜」

フィービーの頭を優しくテオが撫でると、フィービーは嬉しそうに笑う。フィービーの食事は他の悪魔とは違い、キスやハグなどの愛情なのだ。

「何で悪魔のくせに愛情がご飯なわけ?夏とかでも抱きつかれるし暑苦しいんだけど」

テオはフィービーが下を向いていることを見て、文句を口にする。その顔は真っ赤だ。フィービーの体に回そうとしている腕は震えている。
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