この恋は遊びだから
「あぁ〜さむっ!!!」
今日も寒い。
街はクリスマスモード全開。
明日はクリスマスイヴだ。
「なる、明日は翔くんと会うの?」
仕事終わり、マフラーを巻きながら一刻も早く帰ろうとする私の同期の樹里。
とても同い年とは思えないほど、美人で大人っぽい。
「うーん、会おうっていってるんだけどね、よくわからなくて」
「相変わらずだね〜」
「ほんとにね。嫌になっちゃう。樹里は?明日はなにするの?」
「明日は、ゆうくんとディナーだよ」
「おお!ゆうくん。明後日は?」
「明後日は、呑みに行く予定」
美人な樹里には、いつも私が聞いたことない名前がポンポン出てくる。
周りの目なんて気にせずに、自由にたのしそうに生きてる樹里。
私とは正反対な彼女が少し羨ましい。
仕事場から歩いて10分ほどの地下鉄。
街はカップルだらけ。
「じゃあね!なる」
「うん。おつかれさま」
いつもの電車に乗り、私の家までは二駅。
歩いても帰れるんだけどね。
ケータイを開くとラインが一件。
【翔】
《おつかれ》
これも日常だ。