イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
「“会いに行けるアイドル”ってこと。手が届きそうで届かない、そんな絶妙な距離感にいる感じ」
「あーわかります! 雲の上の御曹司レベルじゃなくて、もしかしたらお話しできるかも、近づけるかもって、期待しちゃうんですよね」
「はぁ……なるほど」
なんにしろ、わたしは全女子社員の敵認定されたってことで……
今朝と同じような事が、今後もあるって覚悟した方がいいんだよね?
うぅ、なんでこんな面倒なことになったんだろう。
「先輩、元気出して! メゲちゃだめですよ! 総務課は全力で美弥子先輩を応援しますからね!」
「そうよ! 大いに恋愛を楽しんで!」
「あはは……ありがとうございます」
2人とも絶対、ただのお試しだってことすでに忘れてるよね?
速攻で彼が飽きちゃう可能性だって大いにありますよ?
と突っ込みたかったけど。
「中村さんを守ろう!」「はいっ!」とか、両手を力強くグーにしてる2人に言えるはずもなく……
「あ、そうだ。うちの旦那、中村さんにおススメの人がいるって言ってたけど、ちゃんと断っておくわね」
「当然ですよ、美弥子先輩には坂田さんがいますから!」
「えぇー……」
う、う、う……あぁもう。
どんどん結婚が遠のいていく……
あんな提案、OKしなきゃよかった。