イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
テンションは食後も一向にあがらず、全然仕事モードになれなかったけど、社会人としてはそんなことも言ってられない。
気を取り直して午後一番、わたしはミーティングに向かった。
ノックの後会議室のドアを開けると。
横長の白い机に向かっていた小柄な男性が顔をあげ、ぴょこんと元気よく立ち上がった。
「ご無沙汰しています、中村さん」
「三井さん、お待たせしてしまってすみません」
「とんでもない! お忙しい所お時間とっていただいて、こちらこそすみません。今年も何卒よろしくお願いします」
直角にお辞儀をする彼、三井圭太さんは、店頭ディスプレイを中心に請け負うデザイン会社の方だ。
「こちらこそ、よろしくお願いします」
梓沙さんから仕事を引き継いだ3年前から、年に一度この時期、彼との打ち合わせを行っている。
「なんだかワクワクします、三井さんにお会いすると、今年もこの季節が来たのかって思って」
向かい側に座りながら言うと。
「ほんとですね。ぼくも楽しみなんです、毎年御社のお仕事」
はにかみながら笑う三井さん。
確か1コ下だったかな。
スーツ着てなかったら、高校生だって言われても信じちゃいそうな童顔で、
しかも大きな垂れ目がワンコみたいで、なんかカワイイんだよね。