イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
「そう、そうです! ほら、クリぼっちだっておっしゃってたでしょ。ぼくも同じなんです。今年こそはって思ってて」
「あぁ、そうなんですか!」
合コンかぁ。
知り合いの紹介って、一番カップル成立率高そうよね。
三井さんの友達なら、性格も良さそうだし……。
「だから、もしよければ……」
これはチャンスかも?
なんて打算的に考えつつ、頷いてしまいそうになったけど――はたと思い出した。
――その間は婚活禁止。
う。
ダメだ……坂田くんと約束しちゃったんだった。
合コンもやっぱり婚活って見なされるよね?
……だよね。ですよね。
項垂れながら、「ごめんなさい」って手を合わせた。
「ちょっと今、そういうのお休みしてて」
「え、あ……そうですか。もしかして、どなたかもう、意中の方がいるとか?」
「え? いや、その……ぅ、ま、まぁわたしのことはいいじゃないですかっ! あははっ! 三井さんも頑張ってくださいね!」
へらっと笑って誤魔化して、「あ、エレベーター閉まっちゃいますよ」と促して。
まだ彼は何か言いたそうだったけど、遮る様にお辞儀しちゃった。