イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
表示された番号は、登録していないものだけど。
これは、たぶん……
『美弥子? 今、会議中?』
やっぱり、坂田くんだ。
「ううん、大丈夫。今ちょうど終わったとこだから」
『会議室にいるのか? 第4だろ、どん詰まりのとこ』
どうやら、総務の誰かにわたしの居場所を確認したらしい。
「ううん、エレベーターホールにいる。でもこれから片づけに戻るけど」
『じゃあ、会議室で待ってろ。すぐ行くから』
「え? なにっ? ちょっ……」
聞き返した時にはもう、通話は切れていて。
唖然と携帯を見つめるしかない。
なんなのよ、もう……
言葉通り会議室で待っていると、彼はほどなくやってきた。
「悪い、待ったか?」
急いで来たのか、額にさらりと幾筋か前髪が落ちていて。
そんなことすら大人の色気に変えてしまう彼に、ドキドキしてしまう。