イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

わたしのせいでアシスタントさんたちとの仲が悪くなったら、きっと仕事やりづらいよねって思って。
冗談ぽく笑ってみたんだけど、彼はきっぱりと首を振った。

「いや、オレのせいだ。もっと慎重にするべきだった、ごめん」
と眉を寄せ、ぐしゃっと前髪をかき乱す。

「守るとか言っといて……情けねえよな。ちょっと浮かれすぎてた」

う、浮かれっ……? まさか、わたしとのこと?
そんな可能性に思い至り、不覚にも胸が高鳴った。

「今後社内では、美弥子のこと匂わせないように気を付ける。お前も、何かあったらすぐオレに連絡しろよ?」

もしかして、みんなが正しかった?
彼はこの関係を、わたしの想像よりもずっと、真面目に考えてる……?


「抱く前にお前がビビッて、ソノ気なくなったら困るからな」


……なんてこと、あるわけないよね。

かくって、ズッコケちゃった。

あ、そう。抱くこと前提ですか。
そっちが重要ですか。

そうだよね。
そうだよね。

“本気の恋愛はしない”男だもんね。

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