イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
6. 初デート
「きゃあああっ! 寝坊したぁっ!!」
悲鳴と共に飛び起きたのは、坂田くんが迎えに来るまであと10分、という時刻だった。
シャワーを浴びるのは断念して、
【ごめんなさい、今起きた!】
とりあえず彼にメッセージと、ひたすら頭を下げ続けるマロマロンのスタンプを送信。
洗面所に駆け込む。
バシャバシャと寝ぼけ顔を冷水で起こしながら、あぁもうバカバカ! 最悪! なんて悪態をついた。
一昨日の金曜日。
会議室で……そのぅ、禁煙チェックという名目でハグされた日。
その夜に、坂田くんから初のラインが来た。
そこで【日曜日、空けてあるだろうな? 9時にアパートまで迎えに行くから】と言われて、ようやく思い出した。
――今度の週末は空いてる?
――リベンジ、させてほしいんだけど。
週の初めに交わした、あのやり取りを。