イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
6. 初デート

「きゃあああっ! 寝坊したぁっ!!」


悲鳴と共に飛び起きたのは、坂田くんが迎えに来るまであと10分、という時刻だった。
シャワーを浴びるのは断念して、

【ごめんなさい、今起きた!】

とりあえず彼にメッセージと、ひたすら頭を下げ続けるマロマロンのスタンプを送信。
洗面所に駆け込む。

バシャバシャと寝ぼけ顔を冷水で起こしながら、あぁもうバカバカ! 最悪! なんて悪態をついた。


一昨日の金曜日。
会議室で……そのぅ、禁煙チェックという名目でハグされた日。
その夜に、坂田くんから初のラインが来た。

そこで【日曜日、空けてあるだろうな? 9時にアパートまで迎えに行くから】と言われて、ようやく思い出した。

――今度の週末は空いてる?
――リベンジ、させてほしいんだけど。

週の初めに交わした、あのやり取りを。

< 118 / 539 >

この作品をシェア

pagetop