イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
『なんだ、ちゃんと起きてるのか。二度寝してたら、叩き起こしてやろうと思ったのに』
「二度寝なんて、するわけないよ。今、準備してるから、もう少しだけ――」
『とりあえず、ここ開けて』
「……へ?」
ピンポーン
インターフォンが鳴る。
このタイミングは、も、もしかして……うちの前にいるのって……
ドアスコープに駆け寄って覗くと、そこに立ってるのは紛れもなく――
「坂田くんっ!?」
ガチャっと開けて、「おはよ」と爽やかな笑顔を浮かべる坂田くんと視線を合わせた途端――すっぴんパジャマ、手には洗顔後のタオルを握ったまま、という自分の格好に気づく。
「いゃあっ!」
全身から火を噴く思いで、バッとドアを引こうとするも、
「おい、なんで閉めんだよ」
長い手と足とが差し込まれて、阻止された。
「だだだって、わたし、まだメイク……着替えも……」