イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

モテ期――今までなら、そんな兆しが見えようものなら、間違いなく浮かれまくっていたと思う。

これで一気に結婚まで、って。

なのに……その時わたしの心を占めていたのは、ただただ戸惑いで。
どうしたらいいのかわからなくて。

深く考える前に、気づいたら口を開いていた。

「ごめんなさい……わたし」

飛び出した拒否の言葉に、一番驚いたのは自分自身だったと思う。
それくらい、無意識に出た台詞だった。

「やっぱダメかぁ」

「も、申し訳ありませんっ!」
ガバッと下げた頭へ、笑い声が降ってくる。

「やめてください、ちゃんとわかってましたから」
「え?」

聞き返すと、ニコニコと微笑まれてしまった。

「合コン断られた時から覚悟してました。やっぱり誰か、いるんでしょ? お目当ての方が」

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