イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

「や、あのっそれは、……」

曖昧に視線を泳がせてみたけれど。

お目当ての相手。
その言葉で思い浮かべたのは……やっぱり彼だった。

美弥子って甘くわたしを呼ぶ、あいつ。


「今年は素敵なクリスマスになるといいですね」


優しい言葉に恐縮しちゃいながらも、小さく頷いた。

クリスマス、かぁ……。
彼は、どう考えてるんだろう?

その前にトライアルは終わってしまうし。
どうなるかわからないから、何も言わないのかな?

今年のクリスマス、わたしはどうやって過ごしてるんだろう?

早く知りたいような。
知るのが怖いような……

複雑な思いで、もう一度ツリーを見上げる。

その時だった。

< 174 / 539 >

この作品をシェア

pagetop