イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
ざわっ――
突如、その場に沸いたいくつもの声。
なんだろう?
何気なく視線をざわめきの方へと動かすと、エレベーターホールから坂田くんが新条課長と連れ立ってやってくるところだった。
――カッコイイ~!
――どっちが好み?
――嫌味なくらい足長ぇな、2人とも。
――こっち見てくれないかなぁ。
――今笑ったんじゃない? 見た!? 超カッコいい!
――もはや神だよ、2人とも!
まぁ確かに、メンズファッション誌の表紙みたいなツーショットだもん。
そりゃ大興奮ものだろう。
それは男性と言えども同様だったようで。
「うわぁ、芸能人みたいですね。あんなイケメン見慣れてたら、ぼくなんか相手にされないはずだ」
三井さんまで、感心したように目を丸くしてる。
“あんなイケメン”が、お目当ての相手だとはとても言えず。
「えぇと、クリスマス後の撤収についてなんですけど……」
別の話題を振って、気まずさを誤魔化した。