イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

「あ、戻ってきた! 美弥子先輩っ」
「ごめんね、遅くなっちゃって」
小さくなりながら椅子に腰を下ろした途端、ザッて音がしそうな勢いで2人が寄ってきた。

「無事だったの?」
「大丈夫でしたか?」

梓沙さんや光莉ちゃんだけじゃない。
フロア中が密かにこっちを注目してるのがわかって、もう恥ずかしいったらない。

そりゃあんな目立つ格好で消えたんだもん。
気になるよね。

「ええと、ちょっと眩暈がして倒れそうになっちゃって。それで坂田くんに医務室に連れてってもらって――……どうしたの?」

2人してじぃいっとこっちを凝視してるんだけど……なんだろう?

「ふぅううん、医務室ですかぁ」
「若いわねぇ」

え? え? 何?
口紅は……さっきトイレで確認したし、特におかしなところはないと思うけど……。

「ついてますよ、ここ。キスマーク」

ニヤニヤ、光莉ちゃんに首筋を指されて、ひぇえってそこを手で覆い隠した。
嘘嘘、いつの間に!?

「チャラい女ったらしっていうイメージだったけど、坂田くんて実は意外と情熱家なのねえ」
「ケンカでもしたんですかぁ? あれは相当独占欲強いタイプですよ。美弥子先輩、ガンバ!」

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