イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

「いやあの、誤解なの。わたしたちはあの……」

ぷるぷる必死で首を振るんだけど、なぜか2人はもう満足したらしく、さっさと業務に戻ってしまう。

あぁ……なんでこうなる……

疲労感に打ちのめされながら、今日は早く帰ろうと心に決め。
よろよろとパソコンへ顔をあげたところで。

ペタっと貼られたポストイットが目に入った。
【警備室より、戻り次第ご連絡をとのことでした】

「警備室……?」

一体何の用事だろう?
何も思い当たることはない、けど……ひとまず連絡してみようと受話器を取った。

『はい、警備室です』
年配らしい男性の声が応答する。

「お疲れ様です。総務課の中村ですが、ご連絡をいただいたようで……」

そう告げると、『ええと、それは……』と戸惑ったように途切れた言葉尻、『中村さん!』と別の声が被さるように割り込んできた。女性だ。


『今すぐ来ていただけますか!?』


慌てふためいた声に、嫌な予感がした。


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