イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

一瞬状況を掴みかねて辺りを見回すと、そこは……そうだ、婚活イベントだ!
イベントの真っ最中!

まずい。
いつの間にか、自己紹介タイムが始まっていたらしい。

あちこちから「お願いします」って声が聞こえてて。
「す、すみませんっ!」
謝りながら、あたふたと自分のカードを差し出した。

そして、受け取ったプロフィールに目をやる。
相手が何かを話し始める……

でも。
もう何も、頭に入ってこなかった。


ほんとにこのまま放っといていいのかな。
だって、彼がお酒に強くないこと、わたしは知ってる。
対する西谷さんは、総務にまで聞こえてくるほどの酒豪だ。
そんな彼女につき合って飲まされたら……?


――その気にさせて、ピル飲んでるから大丈夫って誘うの。わざわざゴムなんかつけないって。


ううん。
わたしはただの同期。
彼がどうなろうと、わたしには関係ない。

関係ない、けど……

思い出すのは、途方に暮れたみたいな、気弱な笑顔。

――情けねえな。もっと頑張って、飲めるようにならないと。接待も増えるし。酒に飲まれる営業マンなんて、シャレになんねえ。

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