イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

そりゃ彼は、誰にだって甘い言葉をささやくチャラ男だ。


どうなったって、自業自得。
そうなんだけど……

でも、頑張ってた。
営業マンとして、早く一人前になろうって。

一生懸命……


――ガンガン飲ませて、こっちのペースにしちゃう。坂田さんなら断らないでしょ?

――確かに、正攻法だと難しいかもだね、あの人と結婚は。


――あたし、絶対今夜キメるつもりだから。


ガタンっ!

気づいた時には、席を蹴立てて立っていて。
会場中の視線を一身に浴びていて……


「あ、あの……用事を思い出したので、失礼しますっ!」


荷物を引っ掴むと、後ろも振り返らず駆けだしていた。


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