イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
「あのね、わたしと坂田くんはもう――」
わたしのせいで、彼の評判まで落としたくなくて。
付き合ってるわけじゃない、ってきっぱり言おうとしたんだけど。
すっと目の前に腕が……坂田くんの腕が上がって、わたしを制した。
「そうだな。西谷の言う通りだ。上司に相談すべきだったな」
「ね、ね、そうでしょう!?」
我が意を得たり、とばかり嬉々として駆け寄った西谷さんが、坂田くんの腕に飛びついた。
認めるのは悔しいけど、美男美女でお似合い、なのかもしれない……と、うつむきかけた時。
「――お前が」
冷ややかな視線が見つめていたのは、西谷さんだった。