イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
「あ……そっか。着替えたいよな」
寂しげな口ぶりに、罪悪感が沸いた。
だって彼が夕食を食べ損ねたのは、わたしのせいなわけで……
それほどじっくり考えたわけじゃない。
ただ、とっさに言葉が出ていた。
「何か作るから、食べてく?」って。
言ってから、しまった、と唇を噛む。
送ってもらうだけって、あれほど固く決めてたのに!
慌てて撤回しようとしたんだけど、その時にはもう、暗がりの中でもはっきりわかるほど切れ長の瞳に喜色が浮かんでいた。
「あがって、いいのか? やべ……めちゃくちゃ嬉しいんだけど」
う。まずい。
「た、大したものは、作れないと思うよ……?」
「全然いい。なんだったらカップラーメンでも」
ものすごく、その気だ。
もう“やっぱり止めます”なんて、言えない雰囲気……?
うぅ……仕方ないか……
肩を落として、はぁと諦めた。
だって、彼はわたしを助けてくれたわけで。
お礼くらいしないとね?