イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

「美弥子を傷つけたくないし、オレと一緒にいることでお前が嫌な思いをするなら、離れるのが正解なのかもしれない。でも、それでも……オレは、お前を手放したくない。この関係を、続けたいと思ってる」


――まるで美弥子がオレを誑かした、みたいな言い方してたけど、逆だから。必死で口説いてるのは、オレの方。

――夢中になってるのは、オレの方なんだよ。

トクントクントクン……


どうして、そんな風に言ってくれるの?
本気、みたいに聞こえちゃうよ?

抱きたいんだって言ったよね?
ちょっと興味があるだけ、なんじゃないの?

そんな期待させるような言い方、ずるいよ。



……どうしよう。
ダメだって思うそばから、嬉しいって、喜んでる自分がいる。

高鳴る鼓動を全身で感じつつ、唇をきゅっと結んだ。
しっかりしろ、って自分を戒めるように。

たとえ彼が、わたしのこと本気になってくれたとしても。
やっぱりダメだって、決めたじゃない。

すごく考えて。
考えて考えて、決めたんでしょ。

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