イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

この想いが恋愛感情だって、認めるのは正直まだちょっと怖い。

大事にしてくれてることは感じるけど、結婚まで考えてるわけないだろうし。
トライアルを乗り越えたとして、いつまで続くかどうか。
年齢とか出産とか、もろもろを考えると……、相変わらずリスクの高い相手だっていう気はする。

でも……それでも。
もう少し彼と一緒にいたい。
もっと彼のことを知りたいって思う。

それくらい、惹かれてる。

きっとわたし、ちょっと焦りすぎてた。

結婚したいって、そればっかり考えて。
その前にあるべき、“好き”って気持ちに向き合えてなかった。


「美弥子」
「はっはい!」

……ほら。

視線が絡むだけで、体温が上昇する。
意思とは関係なく、鼓動が駆け出す。

今のこの気持ちを、もうしばらく大事にしてみよう。

将来設計とか理想とか。
そういうことはひとまず棚上げして、彼自身と向き合って――

「お前の不満も不安も、全部オレが受け止める。だから……トライアル止めるなんて言うな」

必死な感じが伝わってきて、なんだか頬が緩んでしまう。
いつも自信たっぷりな彼にこんな顔をさせてるのが自分だなんて、なんだか信じられない。

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