イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
どう答えようかと迷っていたら、他のメンバーが目の色を変えて食いついてきた。
「え、婚活パーティーですか!? 私も行ってみようかと思ってるんですよね。 いい人いました?」
「順番に自己紹介していくんでしょ?」
「何人くらい来てたんですか?」
うわ、みんな興味津々って感じだな。
5分で退場してきました、とはさすがに言えなくて。
「あー……うちの会社の方が、かっこいい人いる、かも?」
苦し紛れに口にしてみたら、なぜか一斉にふかーく、頷かれた。
「そりゃそうですよ。うちの男どもの顔面偏差値、相当高いですからね。友達から羨ましがられるもん」
「わたしも! 合コンセッティングしてーとか、しょっちゅう頼まれる」
「でもさ、やっぱり1人選ぶとしたら、ダントツで新条課長でしょ。今日来てくれるかなって期待してたのにーがっかり!」
「え、栗本、あんたもしかして課長狙い? なんて身の程知らずな!」
「狙ってなんかないよー、あたし彼氏いるし。新条さんはぁ、見てるだけで幸せなんですー! もう尊いの、神だからっ!」
「まぁそりゃねー、あの人は別格だよねー」
みんなの会話を聞いてるふりしつつ、チラチラと視線を奥へ走らせる。
あっちもかなり盛り上がってるっぽいな。
耳を済ませれば、女子たちのはしゃぎきった甲高い声を聞きとるのは容易だった。
「坂田さんて、お休みの日は何してらっしゃるんですか?」
ほぉ西谷さん、攻めてるなぁ。