イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

チュッと軽くリップ音を響かせて、唇が触れ合って。

「ふ、……目、閉じねえの?」

揶揄うような声。
そして、
「ん……」

最初はゆっくり。
戯れるように軽く。

そして、わたしのそれをなぞるように食んでいく。

焦らすみたいに緩慢に触れるだけ。

もどかしさに耐えられなくなって緩く、口を開けば。
待っていたように熱い舌がするりと――

「っん……ぁっ……」

昼間とは、全然違った。

入ってきた舌は、どこまでも優しくて。
未熟なわたしを全部わかってるみたいに、そっと歯列をたどり、反応を伺いながら時折深く、奥を探る。

嫌がったら、きっとすぐにやめてくれたと思う。
そんな感じの、慈しむようなキス。

彼の優しさを、愛情を、注がれているような気がして。
歓喜が胸へ広がった。

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