イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
携帯、だよね。
どっちの?
確認するように2人で顔を見合わせる。
見つけたのは、わたしの方が早かった。
リビングのローテーブル。
パタパタ、スリッパを鳴らしながら光っているそれに近づいて。
わたしのものじゃなかったから、彼へと差し出す。
その時チラッとだけ、画面が見えてしまった。
“非通知”?
「坂田くん、非通知から電話きてるけど……」
「え……なんだろ、怪しいよな」
受け取った彼は、眉を寄せていたけれど、出ることにしたみたい。
「はい? もしもし?」
相手が何を言ったのか、わたしには聞こえなかった。
でも間違いなく、何かを言ったのだ。
一瞬にして、坂田くんの顔色が変わったから。