イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

「んー……当ててみて?」

「えぇ? 何かスポーツ系じゃないですか?」
「やってそう! 似合うぅ!」
「はいはーい! フットサル?」
「テニス!」

「さぁねえ」

「わかった、ボルダリングでしょ!? この二の腕、めっちゃ鍛えてる感じするぅっ!」
「あっ菜々美ずるいっ!」

左右からぺたぺた腕を触られて、まんざらでもない様子で笑う坂田くん。

なんとなくムカッとしつつ、でも同時にホッとした。
今のところ顔色は変わってないみたい。
意識もはっきりしてるみたいだけど……

あの時も、そんなに赤くなってなかったからな。
酔ってても顔にでない人っているし。

やっぱり、忠告だけはしてあげたい。

そろそろ1次会はお開きで……この後はたぶん2次会へ流れるんだろう。
坂田くんはいつも最後まで付き合うらしいから、参加するわよね。
きっと西谷さんも一緒に行くはず。

なんとか2次会の前に捕まえて、話ができたら――けど、どうやって?

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