イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

『へえ、美弥子滑れるの?』

揶揄うような声に、う、と返事が詰まった。

「滑れる、ってわけじゃないけど……」

あなたと一緒に行きたいの!
わかってよ、それくらい。

だって。

せっかくトライアル続行を決め、前向きに関わっていこうって決めたところだったのに。彼ってば――

『最近全然会えてないもんな』

全く同じことを考えていたわたしは、思わず素直に「うん」って頷いちゃった。

一緒に朝を迎えてから2週間。
急に彼の仕事が忙しくなってしまい、社内で会うこともままならず、デートらしいデートもできてない。


つまり、その後の進展が、ないのだ。悲しい程、全く。


や、いや、別にね?
もっと先に進みたいとか、イヤラシイことを考えてるわけじゃ……ないんだけどっ……

電話とラインだけは、ちょっと寂しいなって――


『あー……不足して死ぬ』

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