イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

「…………は?」


『悪い、今窓の外、小さな子が走って行ってさ。うちの前、幼稚園だから』

「あ……あぁ、はいはい、子ども、ね」

わたしのことじゃなかったんだ。
盛大に思い違いしてたらしい自分が恥ずかしくて、見えるわけはないくせにうつむいちゃった。今のわたしは、耳まで赤いに違いない。

『……お、泣かなかったな。えらいえらい』

幸い、わたしのカン違いには気づかず、彼はまだ幼稚園児に注意を奪われてるらしい。
意外だけど、もしかして子ども好き?

『危なっかしいよなぁ、子どもの歩き方って。つい目で追っちまう』

なんとなくその気持ちはわかる気がして、頬が緩んだ。

「坂田くんて、すっごい過保護なパパになりそう」

つい口にしてしまってから、結構際どい内容に踏み込んでしまったかと密かにドキリとしたけど。

『なるだろうな』と拍子抜けするほどあっさり、肯定された。

『だって間違いなくめちゃくちゃ可愛いぞ。美弥子に似た女の子とか――』

「えっ?」

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