イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
『あ……えっと、ちょっと先走りすぎ、だよな。何言ってんだろオレ』
少しだけ慌てた声、ゴホってごまかすような咳払い。
照れてる彼の顔が浮かんで、へらって口元笑っちゃった。
ジョークだとしても、すごく嬉しいよ、坂田くん。
「……今日も、やっぱり会えない?」
『あ、あぁ。たぶん、そうだな』
「わかった。ちゃんとご飯は食べてね」
『ん』
「じゃあもう駅着くから切るね」
『ん、気を付けて』
携帯をカバンへしまいながら、自分の変わりように驚いてしまった。
エリートで、ワーカホリックで。
仕事を理由になかなか会えなくて……理想とは程遠い人なのに。
それでも受け入れてるなんて。
それってもう――
彼に落ちてるって、彼が好き、ってことだよね。