イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

「おっはよーございまーす!」

新宿駅到着後、会社へと向かう途中で元気いっぱいの声に呼び止められた。
振り向くと、手を振ってるのは光莉ちゃんと梓沙さんだ。
「おはようございます」

「珍しいわね、3人一緒になるなんて」
「ほんとですねー」

頷いて、2人を待って一緒に歩き出す。

目抜き通りのデコレーションのせいか、やっぱり話題に上るのはクリスマスのことだった。


「ホームパーティーですか、素敵~!」

梓沙さんは、ママ友一家と料理を持ち寄って、パーティーを開くのだという。
羨ましい! って口々に声を上げるわたしたちだったけど、彼女は「それがね」と苦笑い。

「そう楽しいばかりでもないの。前日から料理の仕込みしたり、準備が大変で。飾りつけだって子どもたち遊んじゃうから、結局親の方がやることになるし……。独身時代が懐かしいわ、恋人からプレゼントもらって喜んでればよかったんだもの」

「あはは、じゃああたしはせいぜい独身時代のクリスマスを満喫しますよ。といっても、家でまったりコンビニケーキ食べるだけですけどねー。今年は平日だし、それくらいでいっか、って2人で言ってて。美弥子先輩は? 坂田さんとどっか行くんですか?」

「さぁ……どうだろ。最近忙しいみたいで、ちょっとわかんないな」

話をふられたわたしは、動揺をとっさに笑顔の下に押し込んだ。

クリスマス、か……

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