イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

2人が買い物をしている間、手持無沙汰のわたしは雑誌コーナーへ。

<クリスマス、彼氏が喜ぶプレゼントはこれ!>
なんてタイトルが見えて、ちょっと迷う。

誘われてもいないのに、買っちゃうの?

こっそり赤面しつつ、それでも今度本屋でもう一度探そう、と雑誌名をしっかりチェックしてしまった。


「マジでぇっ? 坂田さんがお見合いっ!?」


ファッション誌に伸ばしかけた手が、ぴくっと止まった。

お見合い? 何それ……

肩越しに目をやれば、見覚えのあるOL2人連れがドリンクを選んでいるところだった。
あれって西谷さんの取り巻き、だよね。営業部のアシスタントの。
本人は……いないみたいだけど。

「ほら昨日、部長に呼ばれてたじゃない? あの時ちらっと聞こえちゃったのよねー」

これ見よがしにこっちへ視線を向けながらしゃべってるのは、わざと聞かせたいからだろう。
関わると厄介だとわかっているのに、足は動かなかった。

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