イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
運ばれてきたビールをチビチビ舐めながら頭をひねるも、なんのアイディアも浮かばず。
ちょっと早まったかも、飛鳥に彼の連絡先聞いとけばよかった、って後悔した。
そうこうしているうちに。
「先輩、こっちも食べてくださいね。ビールだけだと、よくないですよ」
サラダに唐揚げ、お好み焼きにオムレツにと、わたしの前に増えていく料理。
そういえば、お昼から何も食べてないんだよね。
お腹が空いてちゃアイディアも浮かばない、とばかりありがたく箸を伸ばしていると。
「あのぅ、中村さんて、営業の真杉さんの同期なんですよね?」
経理課の女の子に話しかけられた。2年目のコで、光莉ちゃんの同期だっけ。
「え? うん、そうだけど?」
「あのっ紹介していただきたいんですけど!」
前のめりで「ダメですか?」って聞かれて、目がテンだ。
飛鳥に紹介?
「いいけど……なんで?」
すると、隣の光莉ちゃんが訳知り顔でニヤリと笑った。
「同期のPRの子が、真杉さんに紹介してもらった大手メーカーのエリートと付き合うことになったんですって。彼氏いない歴24年からの大逆転!」