イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
一口頬張り、そういえば今日はランチもろくに喉を通らなかったと思い出す。
坂田くんのあの反応が気になっちゃって……でも食べないのはまずいよね。倒れちゃったら周りに迷惑かかるし。
自分に言い聞かせ、味も分からないまま黙々とフォークを口へ運んでいると、とりとめもないことが頭に浮かんでは消えていく。
もちろんそれは、坂田くんのことばかりだ。
徐々に減った接触、クリスマス嫌い、わたしへの態度、イブの予定……
年上の……泣きボクロの美女……パンケーキ……
ん?
ちょっと待って。
年上?
頭の中に一つの可能性が閃いた。
もしかして……
「あの、流さん」
「んー?」
シェーカーからグラスへ、慣れた手つきでお酒を注ぐ彼を目で追いながら、たった今思いついたことを口にしてみた。
「坂田くんて……お姉さんはいますか?」