イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
13. クリスマスイブ

B・B・B・B……


瞼を押し上げると、まだ室内は暗かった。
ベッドの上で上半身を起こそうとして、その寒さにぶるっと身震い。
布団の中に逆戻りする。

今日は……何日だっけ?
入り乱れる記憶を整理して、ようやく24日、つまり“クリスマスイブ”だってことを思い出す。

ブルームーンで彼の電話を受けてから、もう4日も経つらしい。

「よく生きてたな、わたし」


まだ……すべてのことに、現実感がない。
”ジョークだったのに、信じたのか?”なんて、彼がひょっこり会いに来てくれるような気がして。

でも、もちろんそんなことはなく、連絡もゼロだ。

枕に顔を埋め、ため息を押し殺した。

これが現実逃避、ってヤツなのかな。

フラれたくせに涙もでないとか。
逆に心配になるよね。
大丈夫か、わたし? って。


B・B・B・B……

< 297 / 539 >

この作品をシェア

pagetop