イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
「ええと……」
夜空に浮かぶ答えを探すみたいに、あたふた視線を揺らしてしまう。
「中村?」
ついに怪訝そうに眉をひそめられ、情けなさが募った。
あぁバカバカ!
早く何か言いなさいよ! 彼が変に思うじゃない。
ええと……ええと。
追い詰められたわたしがひねり出したアイディアは、
とにかく2次会に行かせなければいいんじゃない? ってこと。
「きょ、今日はもう帰らない?」
「え?」
「あ、あんまり無理しない方がいいと思うの! ほら、営業さんは接待でたくさん飲まなきゃいけないんでしょ。プライベートの飲み会は、さくっと切り上げた方が、いいんじゃないか、と……」
まくしたてていたわたしは、こっちを凝視する彼に気づいて言葉を切った。
「……行かないでほしいんだ?」
その双眸に、意味深な光がよぎったような気がした――のは、気のせい?
「えっと……そう、だね、その方がいいんじゃないかと」
襲われるから。とは言えないけど。