イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
♪ジングルベル ジングルベル 鈴が鳴る♪
それ以外の音楽は地球上に存在しません、って風にクリスマスソングをリプレイする街を、足を引きずりながら歩いた。
適当に降りた駅は、どこかわからない。
わりと大きな……
「池袋か……」
寄り添う恋人たちが時折痛々しそうな視線をこっちに向けて避けていくけど、
どうでもよかった。
クリスマスが、憎いと思った。
どいつもこいつも、浮かれちゃって。
こっちの気持ちなんて知らないで、楽し気に。
完全なる八つ当たりだとわかってはいたけど、どうすることもできない。
周りをガン飛ばすように睨みながら、ただやみくもにとぼとぼ、足を運ぶ。
やがて。
とあるウィンドーに、目が吸い寄せられた。
一番目立つ場所に飾られてるのは……
「ウェディングドレス……」
そこは、ブライダルショップだった。