イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
これ、この感じって、まさか……いや、まさかだよね?
うんうん、そうだよ、だってまさか坂田くんが――
「どこって、ラブホだろ」
「ら!?」
カチンと固まるわたしを急かすように、彼の腕が腰に回された。
「お前んちか、うちの方がよかった? けど、悪い。それまでちょっと待てない。もう火ぃついちまった」
「は? ひ? え?」
何言ってんの?
ちょっと待って。
ラブホでお茶するのが最近流行ってるとか、そんなことないよね?
何するとこか、わかってる? わかってるよね?
しかも一緒にいるの、わたしだよ?
酔っぱらって、別の人とカン違いしてない?
「まさか、中村の方から誘ってくれるなんて思わなかったから」
囁きかけるセクシーな口元は、確かに微笑んでいたけど。
どことなく余裕のなさが漂っているような気もする。
誘う?
誘う?
そりゃ、一緒に帰ろうとは誘ったけど……
――それ……誘ってる?
え、まさか。
ギクリとする。
ある可能性に、思い至ったから。