イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
「髑髏の、気味の悪いやつでねえ」
……髑髏のタトゥー……
口の中で繰り返しながら、もう一度その姿に目を凝らす。
画面越しでも、その顔がかなり整ってるってことは見て取れる。
サラリと伸ばした茶髪が色っぽくて。
ホストだってできそうな……
あ、と思わず叫びそうになった。
あの男、じゃない?
脳裏に浮かんだのは、以前、ブルームーンの階段ですれ違った男だった。
「ね、そういうわけで、今タクシー呼ぶから、ちょっと待ってて」
「あ、はい……」
生返事を返しながら、わたしはモニターから視線が逸らせなかった。
――なに見てんの?
間違いない。あいつだ。
わたしも見たもの、白い肌に浮かんだ、青白い髑髏。
どうして?
どうして彼が、うちの会社の前に……?