イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
15. One for all
「先輩? 携帯、光ってますよ?」
隣の席から光莉ちゃんにつつかれて、うん、と頷いた。
メッセージの送信相手はわかってるんだけど、とデスク上の携帯をさっと操作――ほら、やっぱり河合さん。
【限定メニューは予約できないみたいなので、僕が先に並んでおきます】
はぁ、とため息が漏れた。
合コンの夜以降、河合さんとはちょくちょくラインのやり取りを続けてる。
朝晩の挨拶や仕事の話……etc.もう10日くらいになるだろうか。
食事にも誘われてるけど、それはまだ、実現したことはない。
最後の最後でなかなか決心がつかなくて、断り続けてるから。
それでも、恵美から“どうなったん?”ってやいやいせっつかれてるし、そもそも自分から“ぜひ”とか言ったんだし……
と、心を決めて。
【平日のランチでもいいですか?】と提案したのが昨夜のこと。
お互いの勤務場所は近いし、仕事途中なら長居はできないだろうしって思ったから。
そしたらなんと秒で既読がついて、今朝にはもう、会社周辺の好評価だというお店のリストが届いて。
適当に1か所選んだら、またすぐ、オススメメニュー等の情報が返ってきた。会社からお店までの詳細マップ付き。
……なんか疲れるな、こういうの。