イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
「悪いな、取り込み中だ。後にしてくれ」
あっさり制されると、男性がわたしに視線を移し、ニヤッと目を細くした。
「何取り込んじゃってんすか~昼間っからエロいことしちゃだめっすよー?」
えぇっ?
「バカ言ってないで、あと5パターン作って持ってこい」
「んなっ!? 10で死にそうなのに、横暴なっ」
「じゃああと10」
「はぁっ!?」
「さっさと行かないと、15にするぞ」
「くーっわかりましたよ、5ですね、ゴーゴー!」
やけっぱちみたいにバンザイして帰って行く彼を放って、日向さんはわたしを促した。
「あの、いいんですか?」
「あぁ構わない。入って」
えぇ? 仕事より重要なこと?
一体なんなの?
ますます訳がわからなくなりながら、わずかな好奇心も手伝って中へ進む。
そこはミーティングルームみたいな感じだろうか。
ど真ん中にテーブル、それからパイプ椅子とホワイトボードと……
あれは、……誰?
窓際。
スーツ姿の男性が、こちらに背を向け立っていた。