イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

「いや、みんながみんな、そういうわけじゃないと思いますけど……」

デートの鉄板ではあるけど、だからといってみんなが好きか、って聞かれると……微妙?

「ドライブデート、というのは密室に2人きりですし、緊張するかもしれないので、電車で行きましょう。お好きな食べ物は和食だとさっき伺ったので、ランチに相応しい場所も自分、ピックアップしておきます。今日中にメールするので、選んでください。そしたらすぐ予約しますから――」

「ああのっ待ってください!」

どんどん進んでしまう話に怖くなってしまい、無理やりめに遮った。

「はい? なんでしょう」

「あの、申し訳ないんですけど……今はいろいろ忙しくて、時間もなくて……」

どうしよう。
ズバッとあなたには興味ありません、って言っちゃうべき?
こんな街中でって、可哀そうかな……

でも……あぁどうしよう!

「えっと、ですね……あの」

どもってしまいまがら、うまく回らない口を動かそうとして――


「美弥子?」


あぁやだ、あんまりにも考えすぎたせいかな、幻聴が……え?

「……ささ、坂田くんっ!?」

違う、本物だった!

いつの間にかYKDビルの正面まで来ていて。
外出から戻った坂田くんと鉢合わせしてしまったらしい。

なんてタイミングの悪い……。

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