イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
アトが残っちゃったら?
慰謝料とか請求されたらどうしよう?
あぁ今この瞬間に隕石が落ちてきて、地球が滅亡しないかな……
と顔をあげれば、憎らしいくらい晴れ渡った空の色が目に染みて。
くぅ、やっぱりダメかぁ。
なんて、がくっとうなだれた。
そこへ。
「おはよう」
軽やかに響くソプラノ。
振り向けば、ショートボブを揺らして、総務課の先輩・松尾梓沙さんが立っている。
「おお、はようございますっいいお天気ですね!」
急いで姿勢をピンと伸ばし、にこっと笑顔を取り繕った。
だって誰にも言えないよ。
あの坂田くんのこと叩いちゃいました、なんて!
と、思ってたのに。
「金曜日、どうだった?」